\\ アルギン酸塩の摂取が食事による塩分の吸収を抑制することをヒト臨床試験で確認 //

トイメディカル株式会社 (本社:熊本県上益城郡、代表取締役社長:竹下英徳) は、アルギン酸塩の摂取が食事による塩分 (ナトリウム) の吸収を抑制することをヒト臨床試験によって確認しました。なお、この成果に関する論文は、「薬理と治療 (2022年50巻10号、1829-1836)」に掲載されました。

■背景

塩分の過剰摂取は高血圧をはじめ、心疾患、脳血管疾患、慢性腎臓病などの生活習慣病のリスクを高めることが知られています。「日本人の食事摂取基準 (2020年版)」では、健常な成人男性で7.5 g/日未満、女性で6.5 g/日未満と示されていますが※1、厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査報告では、食塩摂取状況は成人男性が10.9 g/日、女性が9.3 g/日と、目標値を大きく上回ってしまっていることが報告されています※2。

当社は塩分吸収抑制に関する研究開発に取り組んでおり、これまでにアルギン酸塩を用いた塩分吸収を抑制する食品に関する特許の取得※3や、動物実験による塩分吸収抑制効果の検証※4などを行ってまいりました。そこで今回、ヒトにおけるアルギン酸塩類の塩分吸収抑制効果を明らかにするために、健常な成人男性を対象として、アルギン酸塩類を一定期間摂取した場合の体内への塩分吸収に及ぼす影響を評価する臨床試験を実施しました。

■臨床試験の概要

20歳以上の健常な日本人男性30名を、アルギン酸塩類含有食品摂取群もしくはプラセボ食品摂取群の2群に分け、プラセボ対照ランダム化二重盲検クロスオーバー比較試験※5にて、1日675 mgを4日間、夕食時に摂取した際の塩分吸収抑制効果を、食事による食塩摂取量を調節したうえで、尿中に排出されるナトリウム量を24時間蓄尿を採取して測定することにより評価しました。

尿中に排出されたナトリウムの試験食摂取前からの変化量 (Δナトリウム量) について、クロスオーバー試験の解析において持ち越し効果が認められたため、一回目試験データを用いたプラセボ対照ランダム化平行群間比較試験デザインとして解析したところ、プラセボ食品摂取群と比較して、アルギン酸塩類含有食品摂取群では、Δナトリウム量が有意に低い値を示しました (図)。このことから、食事に含まれる塩分の体内への吸収をアルギン酸塩類が抑制することで、尿中に排出されるナトリウム量が低くなることが示唆されました。

以上の臨床試験結果から、アルギン酸塩類の摂取が食事による塩分の吸収を抑制する可能性が示されました。

当社では独自の塩分吸収抑制技術の研究開発を通じて、熊本から世界中の方々のウェルネスに貢献する活動を行ってまいります。

※1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 (2020 年版), 厚生労働省, (2019).

※2 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要, 厚生労働省, (2019).

※3 特許第6497764号、ナトリウム排出を目的とした食品組成物

※4 Y. Fujiwara et al., Heliyon, 7(3), e06551 (2021).

※5 被験者を無作為に2群に分け、それぞれの群がどの試験食品を食べているのかわからない状態で評価した後に、各群の試験食品を交換して再度評価する方法。実施者と被験者の双方がどの試験食を食べているかわからない状態で行う試験方法。

【本件に関するお問い合わせ先】

トイメディカル株式会社 担当:田代

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